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February 28, 2019 ~ 1 min read

テイラー展開【流れと覚え方】


初めて習ったときチンプンカンプンだったので,これから習う人が分かりやすいようにまとめてみました.

厳密なところは分かっていないです.また,自分なりの解釈が多いかもです.

目的

テイラー展開とは,ある関数$f(x)$を多項式(べき級数)で表すことをいいます.

$e^x$や$\sin x,\cos x$は複雑な関数で$x$に値を代入したとき,どのような値になるかよく分かりません.

そんなときに便利なのがテイラー展開で,これによりおおよその値を知ることができます.

例えば$e^x$は$1+\frac{x}{1!}+\frac{x^2}{2!}+\ldots+\frac{x^n}{n!}+\ldots$という風に展開されます. ここで$x=0.01$のとき,$e^{0.01}$はよく分かりませんが,展開された方で考えると,2 次以上の項は 0.01 の 2 乗よりも小さいので無視できるとして,おおよそ 1+0.01=1.01 となることが分かります.

この近似は数学の世界では許されませんが,工学の世界では結構使われています.また,物理学の世界でも許されているみたいです.

他にも有限差分法の中で,差分近似を求めるときにテイラー展開を使ったりします.

展開の形

まず,簡単な$x=0$まわりのテイラー展開,別名マクローリン展開を考えます.

多項式で表すことを考えているので,

$$f(x)=a_0+a_1x+a_2x^2+\ldots+a_nx^n+\ldots\tag{1}$$ と表されるとします.

これの係数の形を求めることが目標で,まず,(1)の両辺に$x=0$を代入すれば$f(0)=a_0$となります.

次に,(1)の両辺を項別微分すると

$$f'(x)=a_1x+2a_2x+\ldots+na_n^{n-1}+\ldots$$ これに$x=0$を代入すると$f'(0)=a_1$

さらに,これを繰り返していくと

$$f''(0)=2!a_2,f'''(0)=3!a_3,\ldots,f^{(n)}(0)=n!a_n$$ 従って, $$a_0=f(0),a_1=\frac{f'(0)}{1!},a_2=\frac{f''(0)}{2!},a_3=\frac{f'''(0)}{3!},\ldots,a_n=\frac{f^{(n)}(0)}{n!},\ldots$$ が得られます.

そして,(1)の右辺にこれらの係数を代入して$f(x)$は次のように展開されることが分かりました.

$$f(x)=f(0)+\frac{f'(0)}{1!}x+\frac{f''(0)}{2!}x^2+\ldots+\frac{f^{(n)}(0)}{n!}x^n+\ldots\tag{2}$$
次に,より一般的なテイラー展開を考えますが,やることはほとんど一緒で,最初の仮定の形が違うだけです.

テイラー展開では$f(x)$を次のように表現できると考えます.

$$f(x)=a_0+a_1(x-a)+a_2(x-a)^2+\ldots+a_n(x-a)^n+\ldots\tag{3}$$

さっきは$x=0$を代入していったんですが,ここでは$x=a$を代入していけば,先程と同様にして,上手く係数が求められます.

そうして,次のような形に展開されることが分かります.

$$f(x)=f(a)+\frac{f'(a)}{1!}(x-a)+\frac{f''(a)}{2!}(x-a)^2+\ldots+\frac{f^{(n)}(a)}{n!}(x-a)^n+\ldots\tag{4}$$

これが$x=a$まわりのテイラー展開です.

2変数関数の場合

ここで,ちょっと応用なんですが,2 変数関数の場合$f(x,y)$を考えてみます.これも 1 変数の場合と同じように考えられて,まず

$$f(x,y)=a_0+a_1(x-a)+b_1(y-b)+a_2(x-a)^2+b_2(y-b)^2+c_2(x-a)(y-b)+\ldots\tag{5}$$ と表現できると考えます.

そして$x$と$y$で偏微分し,$x=a,y=b$を代入すると次々に係数が求まっていき,次のように展開できることが分かります.

$$f(x,y)=f(a,b)+\frac{\partial{f}}{\partial{x}}|_{x=a,y=b}(x-a)+\frac{\partial{f}}{\partial{y}}|_{x=a,y=b}(y-b)+\frac{\partial^2{f}}{\partial{x}^2}|_{x=a,y=b}(x-a)^2+\frac{\partial^2{f}}{\partial{y}^2}|_{x=a,y=b}(y-b)^2+\frac{\partial^2{f}}{\partial{x}\partial{y}}|_{x=a,y=b}(x-a)(y-b)+\ldots\tag{6}$$

覚え方

毎回毎回上のように考えるのもありですが,楽な解釈の仕方があり,僕はそれで覚えています.

工学では$x-a\ll1$のとき2次以上の項は無視することが多く,このとき(4)は次のようになり,この形さえ覚えていれば結構使えます.

$$f(x)=f(a)+f'(a)(x-a)\tag{7}$$

この式の解釈として,右辺第2項の$f'(a)$が$x=a$での$f(x)$の傾きで,$(x-a)$が$x$の変化量だから,$(f(x)$の変化量)$=(x=a$での$f(x)$の傾き)$\times(x$の変化量)というふうに考えることができます.

グラフをイメージしたら分かりやすいんですが,$f(a)$から$a$にかなり近いところの$x$における$f(x)$を線形近似(直線で近似)によって求めてる感じで,この解釈で1次までのテイラー展開はイメージしやすいと思います.

また2変数のときは(6)より

$$f(x,y)=f(a,b)+\frac{\partial{f}}{\partial{x}}|_{x=a,y=b}(x-a)+\frac{\partial{f}}{\partial{y}}|_{x=a,y=b}(y-b)\tag{8}$$ となります.これも言葉で表すと$f(x,y)$の全変化が,$y$を止めて,$x$を動かしたときの$f(x,y)$の変化と$x$を止めて,$y$を動かしたときの$f(x,y)$の変化の和になります.

これも直交座標系で絵を描いて考えれば分かりやすいですが,$f(x,y)$を$x,y$方向それぞれ線形近似して求めている感じです.

で,(8)を言葉通り分かりやすく変形すると以下のようになります.

$$\Delta{f(x,y)}=\frac{\partial{f}}{\partial{x}}|_{x=a,y=b}\Delta{x}+\frac{\partial{f}}{\partial{y}}|_{x=a,y=b}\Delta{y}\tag{9}$$ いま,$x,y$の変化量を非常に小さいと思っていたので,(9)は

$$df=\frac{\partial{f}}{\partial{x}}dx+\frac{\partial{f}}{\partial{y}}dy\tag{10}$$ となります.

これは全微分と同じ形になっています.これがどういうことなのかはよく分かりませんが,全微分の意味を直感的に理解していると,テイラー展開が出てきやすい.ということは言えると思います.

まとめると,一応理論的なことは把握しつつ,直感的に覚えるのが良いのかなって感じです.

後,自分で考えて,自分なりの解釈を見つけるのが大事です.それが間違えてても誰かが教えてくれるはずです...


Keitaro Yamaguchi

ケイタロです. うどん・寿司・天ぷらが好きです.
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