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May 4, 2019 ~ 1 min read

サピエンス全史(下)【印象に残ったことと感想】


サピエンス全史の上だけ読んで、下はまだ読めていなかったのですが、やっと読み終えたので印象に残ったところと感想をまとめました。

一般的な宗教

いま、世界の二大宗教はイスラム教とキリスト教ですが、だからといって一神教は絶対的なものではなく、1世紀の初めには一神教信者はほとんどいなかったらしいです。

その理由をまとめると、至高の完全に利害を超えた神的存在はえこひいきをしないと考えられるので、困ったことがあっても頼ることはできません。

一方、力の限られた多数の神はそれ故にえこひいきすると考えられるので、様々なお願いをすることができます。

従って、豊作を願ったり、病気を治したりするには多神教を信じることにつながるはずです。

しかし、一神教信者は自分の神が唯一の神で、その神こそが宇宙の至高の神的存在であると信じ、同時にその神は人間に関心を持ち、えこひいきもすると考えています。

私が一神教信者でないことも関係してくると思いますが、多神教が生まれた理由はストンと理解できました。

そして、その分一神教に矛盾というか都合の良さみたいなものを感じました。

また、多神教はその原理から他の神も許容できるのに対して、一神教は許容できません。

キリスト教では、解釈の違いにより、カトリック教徒とプロテスタントの間に起こった宗教戦争があり、何十万人ものを死者を出したらしいです。

私自身、最近否定するより、許容できる方が良いなと思い始めているので、多神教の方が好感を持てました。

本を読んでいて、筆者も少し皮肉めいたことを言っているなと感じる部分はありました。

また、善と悪という2つの対立する力の存在を認めている二元論の宗教というものがあり、あんまり知らなかったので、興味深かったです。

そして、今までの宗教は、神やそれ以外の超自然的存在に対する信仰に焦点を当てていましたが、世界を支配いている超人的秩序は自然法則の産物であるとする宗教もあります。

それが、主要な宗教の1つである仏教です。

これの原理は、苦しみは存在して、それからどう逃れるかというもので、私も常々考えていることなので、オッっとなりました。

そして、ゴータマはこれの解決方法を発見し、それは渇愛することなく、物事をあるがままに受け容れることらしく、これも最近私が考えていたことで、気が合うなと思いました。

また、これも神々の存在は否定しないところが良いなと思いました。

ただ、仏教もいくつか宗派ができて、仏や菩薩に祈るなど、他の宗教と同じようになっている部分はあるみたいです。

元々の原理から離れて、目先の利益に囚われているようで残念です。

一応葬式など仏教の習慣はありますが、信仰が頭の中にまで入ってきていないので、そこは日本人に生まれて良かったのかなと思います。

宗教!?

宗教とは、超人間的な秩序の信奉に基づく人間の規範や価値観の体系のことをいうらしく、これに従えば、自由主義や共産主義、資本主義、国民主義、ナチズムは宗教だというのです。

これは、今まで生きてきた世界の感覚だと?となりました。

でも、確かに一回冷静になって、外から見てみると確かにそうとも考えられるのかもと思いました。

そして、この新しい宗教の1つで人間至上主義というものがあり、さらにその中でも「至高の戒律は、ホモ・サピエンスの各個人の内なる核と自由を守ることである」自由主義的なものと、「至高の戒律は、ホモ・サピエンスという種の中での平等を守ることである」社会主義的なものと、「至高の戒律は、人間以下の存在に退化しないように人類を守り、超人への進化を促すことである」進化論的なものの3つがあるらしいです。

3つともパッと見た感じだと、何も問題が無いように私は思ったのですが、3つ目の代表例がナチスらしく、ナチスって私のイメージでは、敵を作ることで一致団結し、世界を支配したい欲のみで虐殺をしていたと思っていたので、結果は確かにとてもひどいですが、結果だけを見て非難するのは危険だと思いました。

ナチスの人種論の誤りが分かったのは、比較的新しいことらしく、一見危険でなさそうな考え方も、自らの無知から、結果的に恐ろしいことになるのが分かる例だと思いました。

例えば、そんなことはないと思いますが、資本主義により、貧しい人は死ぬしかないみたいなことも可能性としてはあるのかなと思いました。

ナチスのように皆殺しはもうあり得ませんが、超人を生み出すことは、人間の悲願な気がするので、この考え自体は残りそうです。

無知の発見

科学革命の発端は、人類は自らにとって最も重要な数々の答えを知らないという、重大な発見だったらしく、ヨーロッパが覇権を握った理由も、無知からの好奇心によるみたいで、技術的な差はアジアともなかったそうで、驚きましたがこれも納得できました。

今では当たり前ですが、昔は世界で重要な事柄はすでに全部知られていて、それが神によって伝えられると考えられていたみたいなので、確かにすごい革命だと思います。

そして、ヨーロッパではそれが帝国主義と結びつき、科学と帝国の融合でどんどん発展したらしいです。

また、科学革命により、これまで過去を越えられないと考えられていたのが、進歩という考え方が登場し、発展するならと信用が生み出され、経済が発展し、それから好循環でどんどん発展していったらしいです。

それは社会にも革命的な変化をもたらし、アダム・スミスは「個人起業家の利益が増すことが、全体の富の増加と繁栄の基本である」という当時としては斬新な議論を展開するまでに至りました。

これは資本主義の基本的な考え方です。

この過程を見てみると、本当に無知の発見って重要だったんだなあと思いました。

ベルトコンベヤー上の命

産業革命は、安価で豊富なエネルギーと安価で豊富な原材料との、先例のない組み合わせを実現しましたが、同時に動植物さえも機械化されました。

人間至上主義により、ホモ・サピエンスが神のような地位に祭り上げられたころ、家畜も痛みや苦しみを感じる生き物とみなされることがなくなり、機械として扱われるようになりました。

しかし、動物を機械化した科学によって、動物は身体的苦痛と精神的苦痛を感じることが立証されたそうです。

ブタや牛は狭い空間で生きることを余儀なくされていて、ヒヨコはベルトコンベヤー上で仕分けされ、時にはガス室で窒息死させられたりして、毎年何億羽ものヒヨコが死ぬらしいです。

この事実は何となく知ってはいましたが、できるだけ目を背けていたので、改めてそう主張されると、なんともいえない気分になりました。

だからといって、自分もその恩恵を受けているので、非難する資格も無いからです。

また、同時に犬とかを助けようとしている動物愛護主義の人達はこの事実に対して、ささやかな抵抗としてベジタリアンになっているのか、それとも保護とかは自己満足で、そういう目に見えにくいところは無視しているのかとか気になりました。

難しい問題です。

ショッピングの時代

人類史上初めて、供給が需要を追い越し始めた結果、消費主義が生まれたらしいです。

そして、資本主義の価値体系と、消費主義の価値体系との折り合いとして、富めるものの至高の戒律は「投資せよ!」でそれ以外の人々の至高の戒律は「買え!」となりました。

筆者はここで暗に、消費者側には回るなと言っているのではないかと思いました。

豊かな人は、細心の注意を払って資産や投資を管理しているのに対して、裕福でない人は無駄なものを買って、借金に陥っています。

近代の時間

時間が重要になったのは最近のことらしくタイムトラベラーが中世の村で「今は何年ですか?」と聞くと、村人はおかしな格好と訳の分からない質問に面食らうという例えがあり、漫画とかでそういう場面を見るけど、これからはそういう視点でも見れると思い楽しみです。

時間の重要性がよく分かる例でニュースでは戦争勃発よりも先に時刻のアナウンスがあると聞き、確かにその通りで気づかない間に時間にとても依存していることがよく分かりました。

そして、今この瞬間も時計を気にして生きていることにも気づきました。

近代社会の唯一の特徴は、その絶え間ない変化らしく、面白い発想だと思いました。

私たちは何を望みたいのか

文明は人間を幸福にしたのかという問いに対して、幸福度の測り方の定義から始まり、幸福は主観的感情によるものだとして、アンケートを取る方法があり、これは自然に思えたのですが、他に化学物質によるものと考えて、何か人を物質とみなす方向の考え方もあり、これは興味深かったのですが、どことなく寂しい感じがしました。

人生の意義についても書かれており、そこではまた仏教が出てきたりして、色々繋がっている部分はあるんだなあと思いました。

最後に超ホモ・サピエンスの時代へというテーマでネアンデルタール人の復活やマンモス復活(実現まですぐらしい)、バイオニック生命体の話などとても面白い話がたくさんありました。

どれも倫理的な課題があると思いますが、好奇心と、人の寿命を延ばしたり、救ったりすることとつながっているらしく、止められないらしいです。

私たちができるのは科学が進もうとしている方向に影響を与えることで、重要なのは「私たちは何を望みたいのか」になるみたいです。


Keitaro Yamaguchi

ケイタロです. うどん・寿司・天ぷらが好きです.
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