暗号通貨を買ってみたはいいものの、知らないことが多く、また良い部分だけが取り上げられており、デメリットを知らないっていうのが不安だったので、本で勉強しようと思い、2冊目にBLOCKCHAIN REVOLUTIONを選びました。
以下にこの本の概要と感想をまとめます。
全体的にブロックチェーンの様々な分野での可能性が書かれていました。
未来をデザインする7つの原則
まず初めにブロックチェーン革命の要となる7つの原則が紹介されています。
- 信頼:嘘をつかないネットワーク
- 権力:力の集中から分散へ
- インセンティブ:利己的な行動が全体の利益になる
- セキュリティ:不正できないプラットフォーム
- プライバシー:個人情報のブラックボックス化
- 権利:スマートコントラクトによる明確化と自動化
- インクルージョン:格差を解消するデザイン
ビットコインでは、1をプルーフ・オブ・ワークによって実現しています。
また、2はブロックチェーンの考え方の基本です。
3については、今のところはマイニングがそれに相当していますが、私は3が1番難しく重要なところだと思っていて、半減期とかを考えると、今のシステムでは調節も必要で大変だと思います。
また、ここをしっかりしないと他の原則にも影響してくると思うので、私は対策法とか全然わからないので、これからどうなっていくのか注意していきたいです。
5についてはGoogleとかに情報取られているんだろうなあと思いながらも、便利なのでもう諦めてしまっていたのですが、これが実現するなら自分の情報は自分のものになる未来がやってきそうで楽しみです。
最後は、日本で生まれてIT機器に囲まれてきたので、考えたこともなかったのですが言われてみると、世界にはその恩恵を受けられない人もいて、それをブロックチェーンは解決しうると知り、真に平等な世の中になっていくのかなと思いました。
ブロックチェーンIoTが変える12のエリア
ブロックチェーンにより金融業界はどのように変わるかや、オープンネットワークがもたらす革新がまとめられていて、それも面白かったのですが、重複する部分もあったので私自身が一番分かりやすくまとめられていて面白いと思ったブロックチェーンIoTについてまとめました。
交通:スマートコントラクトで管理された自動運転車が目的地まで運んでくれるようになります。
インフラ管理:道路や電柱などにネットワークに接続できるデバイスを取り付けて、位置情報や老朽化の状況をリアルタイムで確認できるようになります。
エネルギー・水・廃棄物:2と被る部分はありますが、生産、分配、消費、収集までデバイス同士で状況を判断して管理・取引できるようになります。
農業:家畜もネットワークに接続され、農作業はすべて自動化されるかもしれません。
環境モニタリングと災害予測:服や自動車などに取り付けられたデバイスにより、周りの環境を収集できるようになります。
医療・ヘルスケア:医療記録、器具の発注と支払い等が自動化されます。
金融・保険:金融はビットコインもありよく言及されていますが、ここでは資産にタグをつけて追跡するシステムが紹介されています。
書類や記録の管理:書類をすべて電子化・自動化します。公共団体って形式だけの古くさい手続きをしているイメージがあるので、これが実現すれば無駄なお金を使われなくなりそうだし楽しみです。
ビル管理・不動産管理:使われていないスペースの有効活用につながります。
製造・メンテナンス:生産管理、品質管理の効率化
スマートホーム:これもワクワクする話で、家の中のあらゆるものがスマートデバイスになり、話しかけるだけで便利なサービスを提供してくれます。
小売業:欲しいものが近くにあればスマートフォンが知らせてくれるようになります。
様々な応用分野があり、今は夢物語って感じですが実現すると世界が全く違うものになってしまいそうです。
また、一瞬IoTがすごいだけじゃないと思いましたが、中央集権型だとデータが1つに集まるので、ハッキングとかプライバシーも不安だし、中央が管理しきれなくなるかもしれないので、やっぱり分散と価値の交換を保証するブロックチェーンによって初めて実現できるシステムだと思いました。
他にもクリエイターが直接お客さんと作品をやり取りできるシステムの実現があったのですが、今は仲介業者や違法ダウンロードなど、クリエイターの力がとても弱い状況なので、これは楽しみというより人間の文化のために早く確立しなければいけないものだと思いました。
革命に立ちはだかる高い壁
初めから完璧なシステムなんかありわけがなく、反対にデメリットや問題点が挙げられていないものほど信用できないものはないと思っています。
だから以下の問題点をしっかり認識して、未熟なりにも技術を正しく理解したいです。
未成熟な技術:大量アクセスに対するキャパシティ不足や処理時間の問題はどこでも言われていることですが、ユーザーの過失について言及されていて、確かに分散であるがゆえに自分自身でバックアップなど管理が必要なので、そこでの問題は難しいと思いました。
エネルギーの過剰な消費:1とつながる部分はあると思いこれも難しい問題だと思うのですが、人工知能のIQはとても高いから解決策は必ず見つかるという人もいるみたいです。
政府による規制や妨害:実際に中国では仮想通貨の取引やマイニング(これから?)が規制されています。そして、国がデジタル通貨を発行すればみんながそっちにいってしまう可能性もあります。
既存の業界からの圧力:歴史からも巨大な企業が技術を独占しがちなので、これは結構重大な問題かもしれません。
持続的なインセンティブの必要性:前に述べたようにインセンティブがシステムの維持に寄与しているので、要となる部分で調節が重要だと思います。
ブロックチェーンが人間の雇用を奪う:インターネットの普及でも騒がれていたらしいですが、奪われる仕事もあれば新しくできる仕事もあります。結局自分次第かなと思います。私個人としてはコンピューターが全部奪うんだったら1日中働かなくても生きていけそうだから、楽観的に考えています。
自由な分散型プロトコルをどう制御するか:過度の規制はテクノロジーの邪魔になりますが、健全なガバナンスモデルは必要です。
自律エージェントが人類を征服する:自律型兵器が殺人マシーンになる可能性は否定できませんが、厳しく規制するのも正しい選択とは限らないので、ソフトウェアの影響力等を正しく把握することが重要です。
監視社会の可能性:1度インターネットを作り直さないことには、強大な力を持っただれかが監視装置を我が物にする可能性がありますが、そのときになって文句を言っても手遅れです。
犯罪や反社会的行為への利用:ビットコインも実際にシルクロードというサイトで悪用された。それにより、悪いイメージがあるかもしれないかもしれませんが、むしろブロックチェーンにより、記録が残るので取り締まりやすいという意見も多くあります。
また、量子コンピュータの登場で暗号インフラは根本的な変化を求められるかもしれません。
まとめ
ブロックチェーンは無限の可能性を秘めていますが、同時に危険や未知の困難もあり、ブロックチェーンが世界を光に導くか闇に導くかは、一人ひとりの行動にかかっていると締めくくられています。
私も自分の利益だけを考えるんじゃなくて、誰にでも等しくチャンスがある世界を願って生きていきたいです。