暗号通貨を買ってみたのはいいのですが、知らないことが多すぎて、もっと技術的な視点からメリットやデメリットを知ろうと思い、本を借りて読むことにしました。
そして、1冊目に選んだのが中島真志さんのAfterBitcoinでした。
以下にこの本の概要と感想を書いていきたいと思います。
全体的にこの本はビットコインについては否定的な考えが書かれていました。
しかし、それとは対照的にブロックチェーンについてはかなり高い評価をしていました。
ビットコインを支えるメカニズム
初めにビットコインの仕組みが書かれていて、少し足りない部分もありましたが、おおまかな流れを知るには分かりやすかったです。
簡単にまとめるとブロックチェーンは一定時間の取引の束(ブロック)を時系列でチェーンのようにつなげて記録していく仕組みのことで、このブロックを参加メンバーがお互いに正しいものとして次々に承認しあうことにより、データの改ざん等ができない仕組みです。
ここで重要なのがチェーンのようにつなげるということで、これは1つのブロックの中に取引データだけでなく、前ブロックの情報(ハッシュ値)を含むということを表現しています。
ハッシュ値は前のデータ(ハッシュ値、取引データ、ナンス値)をハッシュ関数に入れることで出てくる値のことで、先頭に一定の数以上の0が連続で並ぶことが求められており、そのためにはナンス値を色々変えて計算する必要があり、この計算をマイニングと呼びます。
これにより、1つのブロック内の取引データを改ざんすると次のブロック内のハッシュ値が変わり、ブロック前後でつじつまが合わなくなり、その後のブロックも全部計算して変更を加える必要があります。
しかし、その間にもブロックは次々に生成されるので、事実上改ざんができないようになっており、相互に信頼できない相手と価値を交換できるようになっています。
もしかしたら、私の思い違いもあるかもしれないので、そこは許してください。
ビットコインのデメリット
次に、ビットコインのデメリットがつらつらと書かれていました。
そして、特に解決策とかも書かれておらず、ビットコインの批判と受け取れました。
まず、デメリットというより貨幣の役割を果たしているかというテーマに対して、研究やデータから通貨よりも資産として使われていると結論付けていました。
その原因として値動きの激しさが挙げられていました。
デメリットとしては、大きく5つ挙げられていました。
1つ目はビットコインをめぐる事件の発生です。
犯罪取引に使われたり、盗難事件があったり、身代金として使われたりです。
ビットコインの匿名性が反対にあだになったのです。
でも、私は新しい技術の導入段階ではどんなものでもそういう状況があったと思うし、取引記録は残るので、予防など対策のしようはあると思います。
また、本当にその技術のせいで犯罪が増えたのかははっきりしないので、相関関係とかは調べてみたいです。
2つ目はビットコインの保有・売買・マイニングの構造についてです。
上位1%未満の人が全体の9割のビットコインを保有しているみたいで、ビットコインの導入初期からマインングを行っていた人達らしいです。
また、PoWの仕組みからマイニングも寡占化が起こっており、電気の消費量も半端ないらしいです。
これはやっぱりPoWを見直さないといけないのかなと思いました。
3つ目はビットコインの仕組みそのものに内在する懸念材料です。
今はマイニングに対する報酬が与えられていますが、どんどん半減していくので、マイニングによるうまみがなくなり、マイニングする人が減り、システムの維持が困難になる恐れがあります。
また、報酬を取引手数料を上げることで対応しようとすると、ビットコインの良さが失われるかもしれません。
これも承認の仕組みを見直す必要があるのかなと思います。
4つ目はビットコインの分裂騒ぎです。
これは取引量の上限をめぐって起こった騒動で、運営をめぐる主導権争いや、中央管理者が不在であることの難しさが明らかになりました。
そして、最後に政府の規制による影響です。
これまでビットコインが発展してきた理由として、きわめて自由に取引ができていたことが挙げられており、規制によってその勢いが衰えると考えているみたいです。
これは規制の種類にもよりますが、人によってメリットと考えるかデメリットと考えるかは変わってきそうです。
また、ビットコインはバブルの可能性があると言っており、実際に2018年は大きく下降したので、筆者の主張にも気をつけないといけないと思いました。
分散型台帳技術
ブロックチェーンではPoWによる莫大な計算が必要でしたが、ブロックチェーンよりも広義の概念として分散型台帳技術があり、ブロックチェーンはこのうちの誰にでも開かれているオープン型で、反対に許可した人のみが関われるクローズド型と呼ばれるものもあります。
クローズド型は許可制のため、悪意のある人をほとんど気にする必要がなく、承認方法も莫大な計算による改ざん対策は必要ないです。
そのため、筆者はこの仕組みはめちゃくちゃ推していました。
ただ、クローズド型は許可制のため中央集権型となるので、手数料の削減とかにはいいのかもしれないけど、透明性とかバイアスがかかってしまうと考えると、これからの世界を大きく変えられるものになるには厳しいかなという感じです。
また、悪意ある人が入ってきたときに本当に大丈夫なのかなとも思ったんですが、ここに関して筆者は何となくブロックチェーンと混同している気がして、既存の金融に関わってこられた方ということで、少し既存の金融社会にとって都合の良い解釈をしてしまっているのかなと感じました。
中央銀行がデジタル通貨を発行
次に、中央銀行がデジタル通貨を発行する可能性について言及されていました。
今流通している法定通貨の代わりとするならばオープン型となり、そうなると先に述べたのと同じ問題に直面すると考えられます。
これの解決策ビットコインの所では書かれていなかったので、どういうふうにかかれているか興味があったのですが、将来的には技術的なブレイクスルーが生み出されるかもしれないとだけ書かれており、さすがに都合が良すぎないかなと思いました。
また、別の問題点として、銀行の中抜きの発生を挙げており、民間銀行が預金・貸出できなくなり、経済が回らなくなるかもしれないとか中央銀行に個人が口座を作るとパンクしてしまうという理由は何となくわかったのですが、仲介する銀行の役割を奪ってしまうのはだめだというのは、まさに既存の金融に関わっている人が言いそうだなと思いました。
必要ないものはどんどん省いていったらいいと私は思っているので、ここには少し違和感を覚えました。
まあ、これも私の読解力が足りないだけの可能性もあります。
まとめ
最後に、筆者は管理主体も発行主体も存在しない仮想通貨より、中央銀行という信頼される発行主体によるデジタル通貨の方をいうまでもなく人々は使うようになり、生き延びると書いています。
しかし、私はそんなに国が信頼できるのかとも思いますし、今でもポイントとかデジタル通貨みたいに機能しているものも存在してますし、別に法定通貨だけが存在するべきだということも無いと思うので、色んな価値の交換のために暗号通貨は残ると思いますし、そうあってほしいです。
でも、ビットコインのデメリットは分かりやすかったし、その通りだとも思い、通貨というよりも資産として落ち着くのかなと思いました。
そして、新しい暗号通貨が通貨として主流になったりするんでしょうか。